ルビー (Ruby)
Al2O3 六方晶系 モース硬度:9

ルビーの語源は、ラテン語で赤を意味する「rubeus」です。
和名を紅玉といいます。7月の誕生石です。

ルビーは、鉱物的にはコランダムに分類されます。不純物が非常に少ない純粋なコランダムは無色透明で、高い屈折率により強い輝きを示します(ホワイトサファイア)。
ここに、わずか1%程度の微量のクロムを不純物として含むことにより、赤色のルビーになります。ルビーが稀少な宝石なのは不純物として含まれるクロムの存在が大きな理由です。コランダムに適度なクロムが含まれるということは、非常に稀にしか起きないことなのです。通常でありえない特別なことが起こって、ルビーになります。まさにルビーはルビーであるだけで特別な存在なのです。

その他の色のコランダムは、青色のものを一般的にサファイア、ほかの色のものには色名の後にサファイアをつけ、まとめてファンシーサファイアと呼ばれています。

ルビーの鉱物名である「コランダム」はサンスクリット語からきています。ルビーはサンスクリット語では、「宝石の王様」を意味する「ratnaraj」と呼ばれています。
ヨーロッパでは1300年頃からルビーが広く知られ、この世の全ての赤きものの象徴として人々を魅了してきました。古くから、ルビーの強烈な輝きは太陽に例えられ、情熱や勇気、威厳をもたらすパワーの源、また不死の生まれ変わりとも考えていました。その反面、深い色合いは血の色を思わせ、魔性の宝石とも言われています。「情熱」の象徴でもあり、これを身につけた女性は魅力に磨きがかかり、ライバルを差し置いて地位や名誉・愛を手に入れることができるとされています。血行を良くし、健康を維持する効果もありますが、持ち主に危険が迫ると、色が褪せてしまうとも言われています。
このようにルビーは、古代より財産・名誉や身体を守ってくれる御守として大切にされてきました。

ピジョンブラッド
無色透明な純粋なコランダムにクロムや鉄といった物質が混入して赤色を呈するのがルビーですが、そのルビーの中で最高級とされるのが、ミャンマー(旧ビルマ)モゴク産の“鳩の血(ピジョンブラッド)”のような赤色の石です。それは赤色の原因が鉄でなくクロムであるからで、クロムを含んだ同産地のルビーは紫外線があたるとより赤い蛍光を発し、他産地の鉄分の多いルビーにはない、紫を帯びて軟らかい表情の美しい赤になります。従って高価なルビーを買われる時には、昼間の自然光でその蛍光効果のあるなしを確認されることをお薦めします。

スター・ルビー (Star Ruby)

ルビーの中には、光を当てると6条の星(スター)が現れるものがあります。それがスター・ルビーで、この効果をアステリズムと呼びます。スターはカボションカットされたルビーの表面に出て、石を傾けると移動していきます。スターは石の中や上に固定されているのではなく、動かすと太くなったり二重になったり、さまざまな表情に変化します。

スター・ルビーの内部には、乳白色の針状部質が絹の糸束状であることから“シルク・インクルージョン”と呼ばれる内包物が多く含まれています。シルクといわれるルチル(酸化チタンの一種)の針状の結晶がスターの原因で、60度に交わっているルチルに光が当ると、カボッションの上にスターが現れます。

同じコランダムのブルーサファイア等の鮮やかなスター効果とは異なり、スター・ルビーはとてもデリケートな“スター”なのです。スターの出方が強ければ強いほど、ルビー本体の透明度は損なわれ、逆に澄んだ美しい赤を求めれば求めるほど、スターは弱く細くなってしまうからです。相反する要素のぎりぎりのバランスを探り求めるのが、スター・ルビーの選び方のポイントとなります。

処理石
宝石の美ししは原石でき決まります。しかし原石の美しいルビーは非常に少ないのです。そのため古くから需要を満たすために、原石に熱を加えて黒みや青みを取り除き、美しさを引出す処理が行われてきました。近年の加熱処理技術の進捗は、供給を飛躍的に増大させ、買いやすい価格を実現させました。
今日市販のルビーの大半が「加熱処理石」に属します
・加熱処理:色の改善を目的とした加熱がおこなわれています
・拡散加熱処理:色の変化を目的とした人為的な外部からの元素の拡散加熱処理が行われています。
・鉛ガラス等の含浸処理:透明度の改善を目的とした無色透明材の含浸がおこなわれています。