ジェダイド/翡翠(Jadeite)
NaAl2 Si2O6 単斜晶系(微晶質)
モース硬度 6.5~7

翡翠とは本来水鳥のカワセミのことで、羽毛は緑色、腹は赤色、背から尾にかけて青色をしている美しい小鳥です。「翡」は赤色、「翠」は緑色の羽根を意味し、それらの色を持つ玉「ユー yu」を翡翠玉と表していましたが、いつの間にか石名の玉が除かれて、翡翠が石名として残りました。
欧米では「ジェード」と呼ばれていますが、これはスペイン人がインディアンが腹部の病気に対して翡翠をお腹にのせ治療用に用いていることに驚き、スペイン語で「piedra de ijada 腹痛の石」と呼んだことからきているようです。

一般的に「翡翠」と呼ばれるものには、ジェダイド(硬玉)とネフライト(軟玉)の2種類があります。両者は外観は良く似ていますが、鉱物学的には全く異なります。
このような混同は、古代から近世に至る中国人の「玉」信仰によるものです。緑色の堅牢で強靭な2つの石が、まったく異なっていることを知る由もなかった中国人が、ひとくくりに「ユー yu」(玉の意)と呼んで崇めたためでした。
幽玄・枯淡を愛する東洋人好みの半透明の色合いが特徴のジェダイドは、東洋を代表する宝石です。ジェダイド本来の色は白色ですが、アルミニウム(Al)の一部がクロム(Cr)に置換することにより、緑色に発色します。「翡翠」の語源のとおり、代表的な緑色のほかにも、赤色・橙色・黄色・白色・青色・黒色・薄紫色等、カラーバリエーションが豊富です。薄紫色のものは「ラベンダー・ジェード」と呼ばれます。
ジェダイドは、硬度が決して高い宝石ではないのですが、靭性(衝撃に対する強さ)が高いのが特徴で、その強さはダイヤモンドを凌ぎます。

日本では縄文時代から、宝飾品や呪術品等に用いられていました。奈良時代になると、一度姿を消しますが、明治時代になるとまた復活します。
インカ文明でも用いられ、18世紀になり中国でも人気を呼びますが、翡翠を宝飾品として一番はじめに用いたのは日本です。

ラベンダー・ジェード