エメラルド(Emerald)
Be3Al2 (SiO3)6 六方晶系 モース硬度:7.5~8

エメラルドの語源は、ギリシャ語の緑の石を意味する「スマラダドス」です。
和名を緑柱石といいます。5月の誕生石です。

エメラルドは、鉱物的にはベリルに属し、アクアマリン等と同属の宝石です。不純物が非常に少ない純粋なベリルは無色透明(ゴッシュナイト)ですが、微量な不純物が含有されることで、様々な色を呈します。エメラルドの緑色は、微量のクロムとバナジュウムが含有されることによって生じます。
クロムという不思議な元素は、コランダムに潜入するとルビーレッドとなり、ベリルに入るとエメラルドグリーンを作りだします。

古くから、価値ある宝石については、3大宝石(ダイヤ・真珠・エメラルド)、4大宝石(ダイヤ・ルビー・サファイア・エメラルド)、7大宝石(ダイヤ・ルビー・サファイア・エメラルド・アレキサンドライト・翡翠・クリソベリル・キャッツアイ)という表現が使用されてきました。このいずれにも含まれているのは、ダイヤとエメラルドだけです。エメラルドがいかに昔から高い評価を維持し続けているのかがわかります。

エメラルド・キャッツアイ(Eemerald cat’s-eye)

キャッツアイといえば、一般的にはクリソベリルのキャッツアイが知られていますが、
エメラルドにもキャッツアイ効果(シャトヤンシー)のあるものもあります。キャッツアイは、結晶内にチューブ状のインクルージョンが規則的に発達することにより、シャトヤンシーが確認されます。このチューブ状のインクルージョンと、エメラルドに特有のインクルージョンの入り込みにより、不透明なキャッツアイになりやすく、エメラルド・キャッツアイの透明石の産出は、非常に稀です。もともとはブラジル産が主でしたが、近年コロンビアでも産出されています。

トラピッチ・エメラルド(Trapiche Emerald)

トラピッチとはスペイン語で砂糖キビの絞り機のことで、その歯車に似た放射状の結晶形を示すエメラルドの特異形です。中心の六角柱の結晶の柱面から、6個の六角柱の結晶が外側に向かって放射状に成長すると想像されていますが、1964年にコロンビアで発見されて以来、今もトラピッチェ独特の模様が作られていく結晶の生成過程は完全には解明されていません。